これぞ究極の家庭料理!!ニョニャ料理を徹底解説

ニョニャ料理ってみなさん聞いたことありますか?
実は歴史も長くマレーシアの代表的な料理のひとつです。

食器もカラフルで見た目からも楽しいニョニャ料理。
究極の家庭料理と言われている理由を
紐解いていきたいと思います。

ニョニャ料理の歴史

日本ではあまり耳馴染みのないニョニャ料理。
私もマレーシアに居ながら名前は聞いた事はあったけれど、
どういう物なのか詳しくは知りませんでした。

しかし調べてみたらその歴史は長く、
そして消えていってしまうかもしれない事がわかりましたので、
そうなってしまう前に素敵なニョニャ料理を紹介したいと思います。

まずはその歴史からお話しましょう。

その昔、海上交易の主な移動手段は帆船でした。
帆船は風の影響を強く受けますので、
モンスーンの季節になりますとマラッカやペナン、
シンガポールなどの港町で船乗りたちは風待ちをしていました。

そういった経緯もあってマラッカやペナン、
シンガポールは多くの移民を受け入れていました。

ババニョニャ

そんな国籍豊かな移民の中の中華系男性が
現地のマレー人女性と結婚し、
生まれた男の子をババ、
女の子をニョニャと呼ばれていました。

さらにその子孫を地元では
ババニョニャ民族と呼ぶようになりました。

ババニョニャ民族は、
父方の中華系の宗教(仏教)や
考え方(儒教の教えなど)を受け継ぎ、
母方のマレー系の言語や食生活、
さらに女の子は服装や調理法を受け継ぎます。

昔はお年頃になりますと女の子は外出が制限されます。
その代わり花嫁修業の一環として
母親から料理を学ぶようになります。

家族が食べる料理を毎回3~4時間かけて
じっくりと丁寧に作りますので、
究極の家庭料理とも言われていました。

そしてお家によって味付けが違いますので、
そのレシピは母から娘へ受け継がれる物でした。
今はニョニャ料理のお店がありますので、
気軽に食べることができますが、
本来門外不出のレシピだったと思うと、
ありがたみが断然違いますね。

そんなニョニャ料理ですが、
調べていくうちに、
このままでは無くなってしまう恐れがあることがわかりました!

ニョニャ料理が消えていく?!

それは何故かと言いますと、
ババニョニャ民族は父方の
[華人]としてのアイデンティティを持ちつつ、
母方のマレーの食文化を受け継ぐのが決まりなんですが、
20世紀になってからマレーシアの方と結婚すると、
イスラム教に改宗しなければならない法律になりました。

それによって[華人]の男性と結婚しても、
イスラムに改宗してしまいますので、
新たにババニョニャは生まれないということになります
すなわち今あるババニョニャ民族の文化や
代々受け継がれてきたニョニャ料理のレシピは、
今いるババニョニャ民族で終わってしまいます。

もちろんニョニャ料理のレストランはありますし、
いきなり全てがゼロになることはありませんが、
いつか無くなってしまうかもしれないと思うと
残念な気持ちとまだあるうちに
ちゃんと知っておきたい気持ちになりました。

ニョニャ料理の特徴

出典:Old China Cafe

ニョニャ料理の特徴を簡単にいいますと
「中華料理の見た目」をしていながら、
「マレーの味付け」をしていることカラフルさです。

ニョニャ料理が生まれたのは、
中華圏からマレーシアに移民した男たちが
現地の女性と結婚したのが背景にあります。

遠く離れた故郷の味が恋しくなり、
マレーシアでその味を再現しようと
現地にある調味料や香辛料を使って
出来たのがニョニャ料理と言われています。

当時、手に入りにくい食材などもありましたので、
現地にある物で代用したり味付けをしたりしました。

さらに近隣の国によっても味付けに違いがあります。
例えば、ペナンはタイと近いので、
その影響を受けてペナンのニョニャ料理の味付けは
甘酸っぱく少しピリ辛い物が多いです。

反対にマラッカやシンガポールは、
インドネシアの影響を受けているため、
クミンやパクチー、
ココナッツミルクなどを使いますので、
全体的にほんのり甘くまろやかな味付けになります。

もう一つの特徴のカラフルさは、
プラナカンな中華風食器や独特な色使いが魅力的です。

お米は何で色付けする?!

表題の写真のようにニョニャのナシレマは、
ごはんが青色に染色されています。
これは「バタフライピー」という青い花をお湯で煮ますと、
澄んだきれいな青色が出てきます。

それを使ってお米を青く色つけします。
初めて見たときはあまりの青さにびっくりしますが、
バタフライピーの煮汁は無味無臭なので、
味は普通のナシレマと変わらず食べやすいです。

主食のほかにニョニャ民族は
ティータイムの習慣がありましたので、
お茶菓子も作っていました。
ニョニャ・クエと呼ばれるこのお茶菓子がまた

カラフルで見た目が可愛い物が多いんです。
そんなニョニャ・クエも含めた
代表的なニョニャ料理を紹介したいと思います。

代表的なニョニャ料理

ニョニャのスイーツ

まずはすでに話が出ているニョニャ・クエからいきます。

筆者撮影:ニョニャ・クエ

クエはもち粉で作られたお菓子のことを言います。
東南アジア近隣で似たようなお菓子がたくさんありますので、
地元の人にとって馴染み深いお菓子です。

クエもカラフルな物が多いので、
見ているだけで楽しい気持ちになります。

クエの色付けは?

クエの色つけでよく使われているのが「パンダンリーフ」です。
パンダンとは東南アジアに自生している植物で、
日本語ではニオイタコノキといいます。

独特な甘い香りがしますので、
香り付けとしてもよく使われます。

パンダンの葉っぱを細かく刻んでお水を加えて、
石臼などでゴリゴリします。

そのあとザルや茶こしなどで濾しますと
濃い緑色のパンダン液がとれます。
このパンダン液を使って鮮やかな緑色の色つけができます。

オンデオンデ

出典:Wikipedia

種類豊富なクエの中でも緑色がきれいで
ニョニャっぽいのがオンデオンデだと思います。

こちらは緑色に色つけしたもち粉の生地に
パームシュガーを包んでお湯で茹でます。

茹で上がったらココナッツフレークをまぶしたら出来上がり。
中に包まれたパームシュガーが食べるときトロ~っと
口の中にとろけ出すのがやみつきになります。

パームシュガーは黒糖と似ていますので
日本人にも食べやすいです。

なぜオンデオンデがニョニャっぽいかといいますと、
中国に湯圓というお団子のような物があり、
もち粉の生地に黒ゴマやピーナッツなどの餡を包み、
茹でて食べる物があります。

オンデオンデはそれを元に
マレー風にアレンジした物だと言われています。

これぞまさしくザ・ニョニャ料理!!

お菓子の他に、
ご紹介したい代表的ニョニャ料理は2つあります。
まずは日本のCMで一時期よく耳にしたラクサです。

「シンガポールですごいメジャーな料理♪」と
CMで言っていましたが、
実はマレーシアでもとてもメジャーで
代表的なニョニャ料理のひとつです。

ラクサ

ペナン ラクサ

出典:Wikipedia(ラクサ)

ラクサは太めのビーフンを使った麺料理です。
スープに使われる出汁は魚やエビなど魚介類から取ります。

具はゆで卵、もやし、揚げた湯葉、厚揚げなどがあります。
味付けは地域によって違います。

マラッカはココナッツミルクがベースになっていますので、
辛さ控えめなまろやかでコクのある味付けで、
ペナンはタマンリンドやチリを使っていますので、
あっさりと甘酸っぱい辛い味付けになります。

同じラクサでも味付けが全く違いますので、
ラクサめぐりをしてみるのも楽しいです。

パイティー

2つ目に紹介したいのはパイティーです。

Pie Tee

出典:Wikipedia(Pie Tee)

パイティーは前菜として有名なニョニャ料理です。

小麦粉の生地をカリッと揚げてできた器に、
細切りしたにんじんやカブ、
鶏肉のミンチなどの具をパリパリの器にいれて、
お好みでチリソースをつけて食べます。

野菜たっぷりなので意外とあっさりと食べやすいです。
このパリパリの器も専用の容器に
小麦粉の生地を入れて一つ一つ揚げますので、
手間暇をかけて作っています。

ニョニャ料理の真髄を感じる一品です。

ニョニャ料理が食べられるおすすめレストラン

KLでニョニャ料理を食べるなら「Old China Cafe

美味しそうなニョニャ料理をたくさん紹介しましたので、
次はクアラルンプールで美味しいニョニャ料理を
食べられるお店を紹介します。

私のイチオシはOld China Cafeです。

old china cafe kl

筆者撮影

チャイナタウンの近くにあるOld China Cafeは、
まずお店の雰囲気から最高なんです。

一歩お店に入りますとタイムスリップしたような、
香港映画「花様年華」を彷彿とさせる店内に
テンションが上がります。

old china cafe

筆者撮影

落ち着いた雰囲気の店内は料理が来るまで
キョロキョロと見渡したくなるほど素敵な物でいっぱいです。

メニューは定番からちょっと珍しいものまであります。
私が今回注文したのは
ニョニャチャーハンとニョニャ春巻です。

ニョニャチャーハン

筆者撮影

見た目はよく見るチャーハンと春巻ですが、
チャーハンにはえびせんとフライドチキン、
サンバルという小エビを発酵させた
調味料をベースに作った辛味調味料が付いてきます。

チャーハンはスパイシーかノンスパイシーと選べます。

サンバルをつけて食べたかったので、
私はノンスパイシーにしました。

チャーハンは香ばしくてほんのりレモングラスの香りが
鼻を抜けるのが爽やかでマレーシアを感じました。

味変にサンバルをつけると少しピリッとした
コクのある辛さが加わって暑いマレーシアでも食が進みます。

ニョニャ春巻き

筆者撮影

春巻は一見普通の春巻に見えますが、
中身は細切りのにんじんとカブがたっぷり入っています。

切り干し大根に似た食感の野菜がガッツリ入ってますので、
揚げ物なのにしつこくありません。

そのままでも美味しいのですが、
スイートチリソースが付いてますので、
私はつけた方がより食べやすくて好きです。

チャーハンと春巻はもともと
日本人にも馴染みがありますので、
ニョニャ料理はじめての方でも
チャレンジしやすいと思います。

実際食べてみると想像以上に食べやすくて
美味しかったので、
ほかのメニューも食べてみたいとウズウズしています。

まとめ

ニョニャ料理はハイブリッド文化によって生まれた料理です。
日常生活はもちろん、
冠婚葬祭でも用いられます。

ニョニャ民族にとって
ニョニャ料理はただの食事ではなく、
それを通じてニョニャ民族の文化を学んだり、
身につけたりする大切なツールだと思います。

そんな素敵なニョニャ料理をぜひ試してみてください。

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