最近、テレビ番組やブログなどで頻繁にマレーシア移住の特集を目にするようになりました。
その中で伝えられているマレーシアのイメージは、
日本語だけで働ける仕事も多くて、生活はリッチ、
しかも日本より広い家に住めて最高!
といった感じではないでしょうか?
たしかに物価は安く、広くて安い物件も多いのですが、
働く環境が整っているか、日本人向けの仕事が充実しているかと言うと、
正直そうではありません…。
マレーシアでは、日本人向けの仕事の選択肢がかなり少ないのが現実です。
そこで今回は私の体験を踏まえながら、
マレーシアで働くには?について、その詳細や働き始めるまでの
プロセスについてお伝えしていきたいと思います。
それでは早速見ていきましょう!
目次
マレーシアの就職環境
まずお伝えしておきたいのは、マレーシアでは日本人需要が極めて少ないという事です。
近隣のタイやベトナムでは、日本人需要がかなーり高く、
日系企業がどんどん進出していますが、マレーシアはその真逆。
殆どの国民が英語を含む3ヶ国語を話すマレーシアでは、
欧米企業や中華系企業の進出が進んでおり、
日本語しか話せない日本人を欲しがる企業は多くありません。
(日本語が話せるマレーシア人も多いので、求人があっても選考の段階で負ける事が多いです)
その為、マレーシアで就職する際には英語または中国語が話せるか?
という語学の点が、非常に大きなポイントとなってきます。
ただし、エンジニアやプログラマーなど、専門的な知識・技術がある方は、
最低限の英語力でも求人がある場合が多いです!しかもお給料も高めの傾向です!
実際に私の主人も、コミュニケーション程度の英語力ではありますが、
現地企業のシステムエンジニアとして、楽しそうに働いています。
やはりどこの国でも資格や専門知識があると強いですね。
マレーシア語学力で分かれる仕事の選択肢
さて、先程英語か中国語が話せるかが大きなポイントであるとお伝えしました。
もし、どちらかの言語またはどちらも話せる方であれば、おそらく仕事は選び放題、
更にお給料は外国人の中でも高い水準でもらえるようになります。
※外国人の最低給与はMYR5.000(日本円で円)です。
その中で、外資系企業や英語を使った仕事であれば、
経験上MYR7.000前後(日本円で円)+インセンティブもらえることが多いです。
実際に、私が以前イギリス系企業でマーケターとして勤務していた時も、
一般的な水準より高い給与をもらっていました。
具体的にはMYR6,000/月+インセンティブMYR500〜3,000(月による)程です。
反対に、もし日本語しか話せないという場合には、
選べる仕事はコールセンターまたは日本料理店(日系のパン屋さんなども含む)の責任者のほぼ二択となってきます。
ただ、日本料理店の責任者(エリアマネージャーや店長など)は、
ローカルスタッフをまとめる必要がある為、コミュニケーション程度の英語力は必要です。
その為、本当に日本語だけの環境を求めるのであれば、
選べる仕事は実質コールセンター一択となってきてしまうのが現状なんです。
マレーシアのコールセンターで働く
コールセンターと聞くとみなさんはどのようなイメージを浮かべますか?
- ノルマがきつそう
- 日本人相手ならクレームが多そう
- 単純作業だから慣れたら楽しめそう
などなど、人によって色々なイメージがあるかと思います。
私は外資系企業を退職後、家から近いコールセンターで数ヶ月間働いた経験もあります。
そこで思ったのは、良くも悪くも日本企業と何も変わらないと言うことです。
基本的に、日本人が働くコールセンターの多くは、
本社が外国やマレーシアにあり、日本人顧客向けの部署を有しているので、
その部署の為に日本人を大量採用しているのが実態です。
つまり、日本人顧客の対応は全て日本人に任せているというシステムなんです。
その為、マレーシアにある企業と言えども、
日常で使うのはもちろん日本語オンリー、同僚や上司も全員日本人、
働き方についても15分前出勤、トイレ休憩の際には一言かけるなど、
かなり日本風な環境になってしまいました(会社にもよります)。
なので、
- 英語力をつけたい!
- グローバルな環境で働きたい!
- 日本のきっちりとした働き方はもう嫌だ!
と考えている方は、コールセンターの仕事は向いていないかもしれません。
実際に、周りが日本人だらけだと有休を取るのも大変でしたし、
英語力もどんどん落ちました…。
ただ、日本人ばかりの環境には安心感や、
コミュニケーションが楽というメリットもあります。
また、どこのコールセンターも比較的VISAが取りやすいので、
マレーシア生活を始める為の最初のステップとして働き、その後転職するというのも1つの手です。
外資系企業や英語のみ使うような完全ローカル企業はVISAが取れにくい
時間がかかるというデメリットがあるので、働くまでがとっても大変です。
マレーシアでの仕事の見つけ方
それでは、マレーシアでの仕事の探し方について簡単に紹介していきます!
殆どの方が日本にいながらの職探しになるかと思いますが、
私も1つ目の仕事は日本から就職エージェントを通し見つけました。
その際に使用したエージェントは
- KL-WING
- JACリクルートメント
- Abroaders career
の3つです。
特にこの中で1番丁寧にサポートしてくれたのはKL-WINGさんで、
日本語しか話せない方、初めての海外就職の方に向けた求人を多く扱っており、
VISAについての受け答えも非常に親切です。
また、JACリクルートメントさんについては外資系企業の案件が多く、
お給料も高めの求人を多く紹介してくれました。
サポート力という点では少し弱いのですが、案件の質という点では今のところ1番です。
Abroaders careerさんは、比較的近隣諸国の国々に力を入れており、
マレーシアの紹介案件数が全体的に少ない印象でした。
エージェントにより紹介できる案件やサポート体制はかなり異なるので、
複数のエージェントに登録し、幅広く求人に目を通しておくのが大切です。
このように99%の方がエージェントを通すことになると思いますが、
例外として、私の知り合いには、
すでにマレーシアで働いている友達の紹介で仕事を見つけた人もいます。
コネクションがかなり優遇される国なので、知り合いがいると心強いです!
また、少しトリッキーな方法ではありますが、
私は自分で働きたい企業を調べ直接ホームページや問い合わせフォームから働きたい旨を伝えていました。
特に人不足が深刻な病院やクリニックからは返信が来ることが多いので、
求人は出ていないけれど働きたい会社がある方は、是非自分からアプローチしてみて下さいね!
そして、今すでにマレーシアにいる方ができるその他の方法は、
コンビニや公共料金支払い所の求人掲示板をこまめにチェックしたり、
現地の友人に紹介してもらうという事です。
意外なところから仕事の紹介を受けることもあるので、
仕事を探していることをオープンにしておくこと、英語力をつけておくことが大切です!
マレーシアVISA取得のプロセス
マレーシアで働くことが決まったら、次に問題となるのはVISA取得についてではないでしょうか?
エージェントを通している場合は、
担当の方が必要書類や次の行程について色々教えてくれると思いますが、
念の為簡単に説明しておきます。
VISA取得で必要な書類
- パスポートコピー
- 最終学歴の卒業証明書
- 成績証明書(企業による)
- 証明写真
- サインしたオファーレター
(内定後、会社から渡されます) - サインした労働契約書
(内定後、会社から渡されます)
必要書類は上記ですが、ここで大変なのは既婚者の方。
結婚で名字が変わっている場合、
上記の書類に加え自身の苗字変更を証明する為の戸籍謄本とその英訳、
(書類に嘘偽りがないことを宣言するための)宣言書が必要となります。
更に面倒なことに、これらの追加書類については
公証役場での認証と大使館からのアプルーブ(認証)等が必要となるので、
かなりの手間と時間を費やします…。
その為、既婚者の方は事前にしっかりとリサーチし、
書類漏れの無いよう準備してくださいね。
必要書類が揃ったら、次は会社へそれらを送付し、
オンラインの一次パスを取得してもらいます。
一次パスが通ればマレーシアへ労働予定者として入国できるようになるので、
その後は渡航・パスポート本体を会社に渡し、
イミグレ管理局で正式VISAを取得してもらう流れとなります。
※一次パスを取得する前にマレーシアへ行かれた場合は、
一次パス取得後一度マレーシアを出国し、
シンガポールや日本のマレーシア大使館にてシングルエントリーパスを取得するプロセスが入ります。
手間が増えるので、できるだけ会社が一次パスを取得し、
フライトを準備してくれてから渡航するようにしましょう!
マレーシアで働くメリット・デメリット
最後に、実際にマレーシアで働いていて感じるメリット・デメリットについて紹介します。
私の個人的見解も入るので、参照までに見てくださいね!
マレーシアで働くメリット
【外資系・現地系企業の場合】
- グローバルな環境で働ける
- 英語力が嫌でも伸びる
- 社内パーティーや交流会、誕生日会など、海外らしいイベントが多い
(そして仕事中の時間にする事が多い) - 病欠や有休が簡単にとれる
- オンオフがある
- 物価が安いので日本より良い生活ができる
【日本人が多いコールセンターなどの場合】
- いちよ環境はグローバルではある
- 英語クラスなどを開設してる企業もある
- 物価が安いので日本より良い生活ができる
- 日本語が使える安心感がある
- コミュニケーションや意思疎通が楽
- 外資系などより早くVISA取得ができる
マレーシアで働くデメリット
【外資系・現地系企業の場合】
- 勤怠管理が雑(間違っている事が多い)
- 経理や人事の対応がかなり遅い
(全員ローカルの場合が殆ど) - グローバルが故の問題が起こることもある
- 年末年始はクリスマス以外出勤
(会社にもよりますが基本有休を使います)
【日本人が多いコールセンターなどの場合】
- 日本と変わらなすぎる環境
- 英語力は思ったほど伸びにくい
- 経理や人事の対応がかなり遅い
(全員ローカルの場合が殆ど) - 年末年始はクリスマス以外出勤
(会社にもよりますが基本有休を使います)
以上が私の感じているメリット・デメリットとなります!
どちらで働いたとしても、人事や経理はローカルの人達で構成され、
会社の中には必ず外国人はいるはずなので、
マレーシアにいるんだな〜海外なんだな〜と感じながら働くことはできると思います。
また日本語メインとなる仕事は基本外資系よりもお給料は低いですが、
週休1日だったり、夜勤や早朝、土日勤務がある場合にはお給料もグッと上がります!
働き方や休日を妥協できる方は、その分選択肢が増えてくるのでご安心を!
まとめ
いかがでしたか?
マレーシア押しの番組などが最近増えていますが、その中では具体的に説明されていない雇用の部分。
今回の記事を通して、マレーシアで働くという現実とメリット・デメリットが、
少しでもお伝えできていれば嬉しいです。
そして、皆さんの移住の後押しができればとっても光栄です!
読んで頂きテレマカシ(マレーシア語のありがとう)でした!