マレーシアでオランウータンに会おう!生息地と保護施設ガイド

マレーシアは、
美しい自然と固有の野生動物が数多くいます。

マレーシアの国土は、
日本の国土90%ほどの面積に、
マレーシアの人口は約3,350万人です。
いかに自然豊かな国であるかということがわかります。

国土の60%が熱帯雨林で覆われており、
特に東マレーシアと呼ばれるボルネオ島には、
昔からそこに生存する植物や動物、生態系が残されております。

その中でも、今回注目したいのは、「オランウータン」です。

本記事では、マレーシアに生息する
オランウータンの生態、
見どころスポット、保護活動について紹介します!

オランウータンとは?

オランウータンは、その知能や社会的な行動で知られる、
私たち人間に非常に近い愛らしい動物です。

オランウータンの特徴

オランウータンは果実を主食とし、
特にドリアンなどのトロピカルフルーツを好みますが、
昆虫や小動物も食べる雑食性です。

腕の長さは2メートル近くに達し、
樹上を移動する生活に適応しています。
主に樹上で生活し、夜は木の上に巣を作って眠ります。

オランウータンの知能は非常に高く、
道具を使ったり、社会的な行動をとったりします。

オランウータンはどこに住んでる?

オランウータンは、
東南アジアの熱帯雨林に生息しており、
現在は主にボルネオ島(マレーシアとインドネシア)と
スマトラ島(インドネシア)のみに見られます。

【豆知識】ボルネオ島は、マレーシアでの呼び方で、
インドネシアでは、カリマンタン島と呼ばれています。

オランウータンの体の大きさは?

身長は1.2~1.5メートル程度で、
体重はオスが50~100キロ、
メスが30~50キロ程度。

野生では約30~40年、
飼育下では50年の寿命と言われてます。

オランウータンの知能と行動

オランウータンは基本的に単独で生活しますが、
母子の絆は非常に強く、
子どもは母親と8~10年ほど一緒に過ごします。

葉を使って雨よけを作ったり、
棒で昆虫を探ったりするなど、
簡単な道具を使用することができます。

若い頃は、母親から食べ物の選び方や巣の作り方を学びます。
この学習行動は人間の教育にも似ています。

鳴き声やジェスチャー、表情を使って意思疎通を図り、
コミュニケーションを取ることができます。

オスの「ロングコール」と呼ばれる遠吠えは、
繁殖期に他のオスやメスに存在を知らせるためのものです。

オランウータンの由来

「オランウータン」という名前は、
マレー語で「森の人」という意味。

彼らの人間に近い動きや表情から、
この名前が付けられたそうです!

マレーシアでオランウータンに会える場所

ブキッメラ・オランウータン・サンクチュアリ(ペナン州)

©️KLコンジェルジュ

ブキッメラ(Bukit Merah)は、
ペナン島から車で約1~1.5時間の場所にあり、
オランウータン保護のために設立された施設です。

マレー半島側でオランウータンに会えるのは、おそらくここだけ!

小さな島全体が保護区となっており、
オランウータンが自然に近い環境で暮らしています。

島内では、オランウータンが広々とした環境で
自由に動き回る姿を観察できます。

訪問方法

こちらの施設へ訪問する場合は、
「個人で訪問する方法」と「パッケージツアー」を利用する方法があります。

個人で訪問する場合、
ペナン島観光にプラスして訪問または、
イポー観光にプラスしてプランすると良いと思います。

場所的には、ペナンとイポーの間で、
ペナン寄りにあります。

こちらの場所は、
ちょっとしたテーマパークが併設されており、
週末などはマレー系の人たちで賑わっています。

チケットの購入方法

©️KLコンジェルジュ

チケット費用:
外国人(12才以上、大人)RM40
外国人(子供4才〜12才)RM22

事前予約は不要です。

小さな島全体がオランウータン保護区になっており、
ボートに乗って向かいます。
以前、乾季の間に湖の水が干上がってしまい、
数ヶ月休園していたこともあります。

【ボートの出発時間】
①9:45
②11:15
③12:45
④14:15
⑤15:30

2025年1月現在、
ボートの出発時間は上記の通りです。
大体1時間ほどで戻ってきます。

この時間以外は、保護区に行くことができないので注意しましょう。

営業日や運行時間は変更が生じる場合もあるので、
営業状況を事前に確認することをお勧めします。

サンクチュアリでの活動内容

©️KLコンジェルジュ

ボートで保護区に着くと、
ガイドさんが出迎えてくれます。

専用の遊歩道や観察デッキから彼らの生活を間近で見ることができます。

ガイドさんは英語とマレー語が堪能で、
オランウータンに関して深い専門知識があるので、
オランウータンの生態や行動、
絶滅危機種を保護する意義について
理解を深めることができます。

こちらのサンクチュアリでは、
孤児やけがをしたオランウータンをリハビリし、
可能であれば野生に戻すプロセスを進めています。

遺伝学研究や生息地の保護プロジェクトも行っており、
長期的な視点での保護活動を重視しています。

開館時間とアクセス

営業時間: 午前10時〜午後4時(曜日や季節によって異なる場合があるため要事前確認)
アクセス: ペナン島から車で約1時間半、Bukit Merah Laketown Resortが目印です。

セピロック・オランウータン・リハビリテーションセンター(サバ州)

1964年に設立され、孤児となったオランウータン負傷したオランウータンを保護し、
リハビリを経て自然に帰すことを目指しています。

サバ州の州都「サンダカン」の西約25km、熱帯雨林の中にあり、
施設は43平方キロメートルの広大な森林保護区内にあり、
オランウータンが自然な環境で生活できるよう設計されています。

食事タイムが1日2回決まった時間に行われ、
餌台に集まってくるオランウータンを間近で観察することができます。

セピロック オランウータンリハビリテーションセンター
Sepilok Orangutan Rehabilitation Centre

その他のオランウータンに会える場所

キナバタンガン・ワイルドライフサンクチュアリ

キナバタンガン・ワイルドライフサンクチュアリは、
マレーシアのサバ州にある広大な自然保護区で、
多様な野生生物が生息しています。

川沿いのジャングルクルーズで
オランウータンや他の動物を自然な環境で暮らす様子を観察することができます。

ロッカウィワイルドライフパーク

小さいお子さんがいる場合、
コタキナバル郊外にある動物園もおすすめです。

ロッカウィ・ワイルドライフパークは、
オランウータンのみならず、
ボルネオ島固有のテングザル、
ボルネオゾウ、マレーグマ、マレートラなどにも会えますよ。

保護活動とその重要性


国際自然保護連合(IUCN)は、
オランウータンを絶滅危惧種または、
極めて危機に瀕している種に分類しています。

絶滅危機の背景

森林破壊

違法な森林伐採や農地開発、森林火災、採掘による森林破壊が深刻な問題となっており、
農地開発やパームオイル産業の拡大に伴い、生息地が失われています。

さらに、伝統的に焼畑農業で利用されてきた森林火災は、森林を破壊するとともに、
野生生物を死に至らしめたり追い払ったりする原因となっています。

この火災は、大量の炭素を大気中に放出し、
致命的な大気汚染を引き起こしています。

採掘

また、近年の鉱業活動もボルネオ島の森林に回復不可能な損害を与えています。
保護区内で行われる金やジルコンの違法な露天掘りは、
緑豊かな原生熱帯雨林を不毛で生命のない砂漠へと変えてしまいます。

さらに、採掘過程で使用される水銀が河川系を汚染し、
魚やオランウータンなどの野生生物を死滅させる原因となっていルそうです。

密猟

加えて、密猟も大きな問題です。
野生のオランウータンの赤ちゃんがペットとして販売されるケースが後を絶たず、
この過程では母親を殺害して赤ちゃんを連れ去るという残虐な手法が取られています。
オランウータンの違法捕獲は、今なお深刻な課題です。

現地の保護団体

現地の保護団体は、オランウータンの保護活動に力を入れています。

サバ野生生物局(Sabah Wildlife Department, SWD)

サバ野生生物局(SWD)は、
マレーシア・サバ州における野生生物保護の中心的な機関で、
オランウータンを含む絶滅危惧種の保護活動を行っています。

1、オランウータン保護プログラム

セピロック・オランウータン・リハビリテーションセンターの運営
オランウータンの孤児や負傷した個体を保護し、リハビリを行っています。
ここで育てられたオランウータンは、健康を取り戻し野生に戻される準備が整えられます。

観光業との連携をし、エコツーリズムを通じて保護の重要性を啓発するだけでなく、
観光収益を保護活動の資金として活用しています。

訪問者にはオランウータンの生活を間近で学ぶ機会が提供され、
保護への理解と支援が広がっています。

2. 法執行と密猟対策
密猟や違法取引を取り締まるため、
地域警察や国際的な保護団体と連携しています。

Borneo Orangutan Survival Foundation(BOSF)

BOSFは、インドネシア・ボルネオ島に拠点を置く非営利団体で、
オランウータンの保護活動をリードしています。

1991年に設立され、ボルネオオランウータンの救助、
リハビリ、野生復帰を目的に活動しています。

1. 救助活動
開発や森林伐採の影響で孤立したオランウータンを保護。
特に赤ちゃんオランウータンの保護に力を入れています。

2. リハビリテーション
保護されたオランウータンをリハビリセンターで育成し、
野生で生きていくためのスキルを学ばせます。

一部の施設では「森林学校」が設けられ、
オランウータンが自然の中で遊びながら木登りや食物探しなどを学べる環境を整えています。

3. 野生復帰プログラム
健康を回復したオランウータンは、
選ばれた保護区や自然環境に戻されます。

このプロセスには地元住民や政府機関との協力が欠かせません。

4. 森林再生と保全活動
劣化した森林を再生するプロジェクトを実施し、
オランウータンの新たな生息地を確保しています。
地元住民の雇用を通じて、地域社会にも利益を還元しています。

サバ野生生物局とBOSFの取り組みは、
オランウータンだけでなく、
ボルネオ島全体の生態系保全にも大きく貢献しています。

 

まとめ

オランウータンは、マレーシアを代表する動物の一種です。

私たちはオランウータンを通じて、自然とのつながりを感じることができます。
また、そのつながりを未来へと繋げるため、保護活動の重要性を考える機会にもなるでしょう。

旅行者一人ひとりが、自分にできることを意識しながら、
オランウータンとの出会いを楽しんでください!

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