【2020年9月現在】新型コロナウィルス・マレーシアのロックダウン現地在住者がレポート!

2020年世界的に大混乱を巻き起こした新型コロナウイルス。
マレーシアでは突然のロックダウンに、制限付きの移動、罰金有マスク着用など、今まであたりまえだった生活が一変しました。

今日は、マレーシア生活状況の変化や政府の対策などを現地在住者が現地の様子を詳しくレポートします!

マレーシア思い切った政策でいきなり外出禁止に!

世界中でコロナウイルスの拡大が懸念され始めた頃、マレーシアでは2020年3月16日、突然の政府アナウンスにより、ロックダウンする事が発表されました。期間は、2020年3月18日から3月31日まで。マレーシアのロックダウン、通称MCO(活動制限令)の始まりです。

2020年3月18日からは、会社、学校、生活に関わるお店や企業以外は、一斉に閉鎖となりました。
この活動制限令は、数回の延長したのち、2020年5月3日までの約50日間続くこととなりました。

その後、2020年5月4日からは、条件付き活動制限令(CMCO)へと変わり、
2020年6月10日から2020年8月31日までは、回復のための活動制限令(RMCO)へ徐々に規制が緩みました。

現在は、回復のための活動制限令 (RMCO)が2020年12月31日までの予定で継続されています。

段階的なロックダウンの規制緩和、それぞれの特徴は?

活動制限令 MCO (Movement Control Order)

【2020年3月18日から2020年5月3日まで】

  • 外国人の入国やマレーシア人の海外渡航の禁止
  • 不要不急の一切の外出禁止
  • スポーツやイスラムのお祈りなどの集会禁止
  • 州を越えた移動を禁止
  • 日用品などの買い出しは家族の代表者1人のみ
  • 車1台につき1人のみ乗車可
  • 規則違反者は罰金あるいは逮捕

条件付き活動制限令 CMCO (Conditional Movement Control Order)

【2020年5月4日から2020年6月9日まで】

  • ほぼ全ての会社が再開を認める (映画館やカラオケなどの娯楽施設は引き続き禁止)
  • ゴルフやジョギングなど身体の接触や人数制限を守れば可能 (水泳、サッカーなどは引き続き禁止)
  • 車1台につき2人まで乗車可(家族に限る)
  • 州を越えた移動は引き続き基本的に禁止 (仕事の移動や自宅に戻る場合のみ認める)
  • レストランや屋台は、引き続き店内飲食不可。ドライブスルー、持ち帰りのみ販売可能
  • 朝市やナイトマーケット引き続き営業禁止

回復のための活動制限令 RMCO (Recovery Movement Control Order)

【2020年6月10日から2020年12月31日まで(予定)】

  • 国内旅行など州を越えることが可能
  • 朝市やナイトマーケットなどの再開を認める
  • 学校などの教育機関は段階的再開を認める
  • 引き続き、マレーシア人の海外渡航の禁止
  • スポーツ大会の開催禁止
  • カラオケやテーマパーク、祝宴などの密になる恐れのある活動の禁止

以上が、MCO、CMCO、RMCOのおおまかな特徴です。

【写真付】ロックダウン開始から緩和までのクアラルンプールの様子

それでは、ロックダウン中、マレーシアでの生活は、実際どのように変わったのでしょうか?
現地在住者である私の経験を元に、ロックダウン中の様子を順を追ってレポートしたいと思います!

2020年3月16日、ロックダウンの発表をうけ、3月18日から外出禁止となることが決まりました。少しパニック状態になりました。外出できるのは17日のみ、食料や日用品を確保しなければ!と思い、翌日の3月17日にスーパーマーケットへ行きました。

(イオンのスーパーマーケットの様子・2020年3月17日筆者撮影)

スーパーマーケットには人がたくさんいましたが、ごった返すほどではありませんでした。
ほとんどの商品は普通にありましたので、それを見て少しホッとしたのを覚えています。

インスタントラーメンと粉ミルク関係が少なくなっていたのは、マレーシアに来て初めて見る光景でした。このときは、まだマスク着用していない人もチラホラ。

ロックダウンが始まると、街全体が静かになったのを覚えています。
全く外出できない訳ではありませんが、確か7:00~19:00頃の間に、家族の代表者1名が食料や生活必需品の買い出し、医療目的での外出のみが許可されていました。夜間や夜明けは一切の外出禁止でした。

(TTDI市場入口の様子2020年3月24日筆者撮影)

こちらはロックダウン中に訪れた現地日本人在住者にも人気の市場、TTDIウェットマーケットの様子です。1階が駐車場と豚肉売り場、2階が野菜や魚、牛肉などが売られています。

普段は並ぶことなく自由に行き来ができますが、MCO期間中は入場制限や検温がありました。

(TTDI 2階の様子 2020年3月24日筆者撮影)

市場内はソーシャルディスタンス確保のためテープが貼られたり、
買い物客が1ヶ所に集中しないように、スタッフが呼びかけたりしていました。

普段は子供服やおもちゃなどの雑貨屋も販売されてますが、MCO期間中は食料以外のお店は閉店となっていました。

また、魚屋では通常エビを買うと殻を剥いてくれたり、魚をさばいてくれたりするのですが、MCO期間中は長時間滞在を防ぐため、そういったサービスが一切中止となりました。

(TTDI豚肉売り場の様子 2020年3月24日筆者撮影)

いつもは混み合っている豚肉売り場もMCO期間中は人が少なく、
検温や消毒、注文したお肉が用意できるまでの待機場所など、係の人から細かく指示を受けました。

その他、MCO期間中は、住んでいるコンドミニアム内でも制限がありました。
まずは住人以外の立ち入り禁止です。

出前や宅配便など、普段は中まで届けてくれますが、コンドミニアム入口にあるガードハウスまで取りに行かないといけません。

コンドミニアム内の公園、プールやジムはすべて使用禁止になりました。
運動不足を解消しようと住民たちがコンドミニアム内をウォーキングしていましたら日に日に歩く人が増えたため、禁止となりました。

この外出制限中には、マレーシアで日本人らが屋外でジョギングをし、自宅へ戻るよう警告されたにもかかわらず、それに従わなかったために逮捕されたということがニュースにもなりました。

また、主人も仕事が急に休みになってしまったため、スタッフたちとはSNSグループで常に情報の共有をし、いつでも会社再開できるように備えている状況でした。

約1ヶ月半のMCO期間が続きましたが、感染者の数が落ち着いたのをうけ、2020年5月4日からCMCOへと移行しました。

CMCO期間に変わってからの1番大きな変化は、主人の仕事が再開されたことです。

会社を再開するにあたっては、オンラインで再開許可の申請しないといけなかったのですが、全国の会社が一斉にアクセスし、集中していたせいか該当ウエブサイトになかなか繋がらず、事務スタッフ総動員で挑んでいたのが印象的でした。

さらに、再開にあたってはSOP(Standard Operating Procedure)と呼ばれる政府が定めた規定に則うことが必要だったため、スタッフ全員のマスク着用、検温や手の消毒、1日最低2回会社全体の消毒など準備が必要となりました。

生活面ではMCO期間中との大きな変化はなく、
強いて言うなら車1台につき2人まで乗車できるようになったことくらいでした。

そして、2020年6月10日から現在に至るまでRMCO期間が続いています。最近のアナウンスで、RMCOの延長が決定し、2020年8月31日までの予定が、年内いっぱい2020年12月31日まで、このRMCO(回復のための活動制限令)が続くこととなりました。

RMCO期間に移行したことにより、生活面では様々なことが「通常」に戻りつつあるように感じます。

まずは車1台につき4人まで乗車できるようになりました。
それにより、家族でショッピングモールに出かける人も増え、活気が戻ってきました。
洋服屋さんなども営業再開し、お買い物を楽しむ人も増えました。

カフェやレストランなどの飲食店もソーシャルディスタンスなどを守れば、
店内で食事することができるようになりました。

【ロックダウンから現在まで】マレーシアの学校の様子は?

ロックダウンに入った2020年3月16日は、ちょうど日本人学校の春休み中でした。
活動制限令の延長を受け、オンライン授業が開始、学校が再開するまで継続されました。

7月1日から幼稚部が登校再開、
7月16日から小学部5、6年生と中学部、
7月22日から小学部1~4年も再開になりました。

授業時間も段階を踏んで、様子を見ながら時間を伸ばしていきました。

第一段階では学年毎に2つのグループに分けて、
交代で1日おきに登校してました。
授業も午前中のみでした。
こちらはSOPが緩和するまで続きました。

第二段階は一斉登校になりましたが、
授業時間は午前中のみです。
1週間ほど続き、
第三段階へ移行しました。

第三段階は一斉登校プラス
短縮授業での5時限授業です。
こちらも1週間ほど続きました。

第四段階は通常授業での5時限授業。
しかし放課後活動は無しです。
こちらはコロナが収束するまで続きます。

学校での検温や手の消毒はもちろん、
通学バスでも密にならないような工夫がされ、
バスに乗る前に検温や手の消毒をするなど、ウイルス感染対策がされています。

他の影響面では、マレーシアの出入国制限が厳しく、
いまだに日本から来る予定だった先生が渡航できなかったり、
一時帰国したクラスメイトが戻って来られなかったりしています。

そんな中でも先生方はできるだけ、充実した学校生活を子供たちが過ごせるように
たくさんの工夫をしてくれています。本当にありがたい限りです。

コロナ禍で変わった外出時の必須アイテム

マレーシア感染対策モニタリングアプリ「My Sejahtera

お店などに入るためには、マレーシア政府が運用しているモニタリングアプリ[My Sejahtera]を使います。
現在、マレーシアに入国する際にはダウンロードが義務化されているアプリです。

インストールし、名前や電話番号、体調などを登録します。
あとはお店の入口などにあるQRコードを読み込むだけです。

感染リスクや訪れた場所などを記録してくれますので、個人的には便利で使いやすいです。
ショッピングモールやスーパーマーケットだけでなく、屋台や市場などお店全般に使えます。

マレーシアでは、感染者が出た際に追跡できるよう徹底したシステム管理化が進んでいます。

罰金有!外出時は必ずマスク着用を!

徐々に規制が緩和されていく中、マスク着用に関しては厳しくなっています。
公共の場でマスク着用をしていないと罰金を科せられる場合があります。

MCO緩和によって一時罰金制度がなくなりましたが、一気に着用しない人が増えたため、
現在では公共の場でマスクを着用してない場合は、罰金1000リンギ(約25000円)が科せれます。

罰金は、現在の1000リンギの2~3倍に引き上げる話も出ていますので、今後の注意が必要です。

まとめ

マレーシアは全ての経済活動を一時的に完全停止にすると言う大胆なロックダウンとなり、
一瞬戸惑いましたが、行動に迷う余地もなかったのでその点は良かったと思います。

マレーシアは今もRMCO(回復のための活動制限令)が続いています。
依然として制限はありますが、日常生活をするなかで大きな不便は感じません。

ロックダウン当初は買い物に行くのが不安だったので、
お友達グループで情報交換をし、宅配してくれる八百屋さんやパン屋さん、
マレーシアの通販サイトなどを駆使して、
今では生活に必要な物はほとんど自宅にいながら手に入るようになりました。

コンドミニアム内の公園やジム、
ウォーキングなどもできるようになりました。

RMCOに移行したことによって緩和されたことがたくさんあります。

しかしコロナに対する恐怖心もまだまだあります。
今後もコロナ感染対策を守りつつ、また自由に日本へ行き来できる日を心待ちにしています。

マレーシアへの外国人の入国について

2020年9月末現在、マレーシアは、外国人の入国を制限しており、観光ビザでの入国は認められておりません。 長期ビザ(就労ビザ、MM2Hビザ)保有者も基本的に入国許可を得てから入国する形となっております。また、入国に際しては、マレーシアに渡航後、14日間の施設での強制的な隔離が設けられております。

先日のマレーシア外務省の発表によれば、
2020年9月24日以降、マレーシアに入国する非マレーシア国籍者の強制隔離費用に変更が出ております。

・主たる入国者1名:合計4,700リンギット
(固定費(隔離施設運営費) 2,600リンギット + 隔離1日あたり150リンギット × 14日)
・従たる入国者(主たる入国者との同室を認められた者2名まで。配偶者、12歳未満の子供等):1名あたり合計700リンギット
(隔離1日あたり50リンギット × 14日)
(6歳未満の子供は無料)

(在マレーシア大使館より転載)

入国条件は、刻々と変わりますので、最新情報をご確認ください。

参考・マレーシアの新型コロナウィルス感染者の推移(2020年9月25日現在)

下記の表は、マレーシア全体の新型コロナウィルス感染者の推移です。5月までの感染者が最も多く、その後二桁前半を推移、9月に入りふたたび感染者が少し出てきている状況です。

2020年3月9日に統計を取り始めて以降、マレーシア全体の感染者は10,687名、内死亡者数は133名です。(マレーシアの総人口は、約3200万人)

 

ご参考までに、下記は日本の感染者推移です。8月前半をピークに減少傾向にあります。

日本全体の感染者数は、80,497名、死亡者数は1,532名。東京都だけを見ると、感染者数は24,843名、死亡者数は、399名となっています。

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