南国の魅力あふれるマレーシアは、
近年、移住先や長期滞在先として注目を集めています。
「マレーシア・マイ・セカンド・ホーム(MM2H)」ビザは、
家族で長期滞在を希望する方たちにとって選択肢の1つとなっています。
マレーシア半島全域を対象とする「MM2Hビザ」と、
ボルネオ島に位置する東マレーシアの
サラワク州独自の「サラワクMM2Hビザ」
サバ州の「サバMM2Hビザ」と3種類が存在し、
それぞれに異なる条件で運用されています。
共通するのは、
どのMM2Hビザも「家族」で「5年以上」の長期滞在許可を得られる点です。
本記事では、
マレーシア連邦政府のMM2Hビザと
サラワク州政府のMM2Hビザの特徴、条件、メリットを比較しながら、
分かりやすく解説したいと思います。
温暖な気候、豊かな自然、
そして多文化が共存するマレーシアへの移住を検討されている方は、
ぜひ最後までご覧ください!
目次
MM2Hビザの魅力
マレーシア政府が提供するMM2Hビザは、
外国人が長期滞在を目的として利用できる人気のプログラムです。
MM2Hビザは、
10-15年ほど前はマレーシアでのリタイア生活や
セカンドハウスとしての滞在を希望する外国人を対象としておりましたが、
ここ数年で何度か条件の改定があり、
現在の条件下、より一層海外の富裕層を対象とした
プログラムへとシフトしています。
MM2Hビザのメリット
1、長期滞在が可能:5年〜20年間。
2、ファミリーでの滞在が可能: 配偶者や子供、祖父母と3世代に渡って長期滞在が可能!
3、MM2Hビザで子供をマレーシアのインターナショナルスクールに通わせることが可能。
(KLの人気のインターは学生ビザを発行しない学校も)
マレーシアMM2Hビザ
それでは、マレーシア連邦政府が発行しているMM2Hビザについて詳しく見ていきたいと思います。
MM2Hビザは、2024年6月に大幅に条件が改定され、現在3つのカテゴリーに分かれています。
プラチナ: 資産や収入に余裕がある方向け。
ゴールド: 富裕層向けの柔軟な条件。
シルバー: 比較的条件が緩和。
各カテゴリーごとに定期預金、不動産の要件が設定されております。
各カテゴリーの条件
- 【共通条件】
主申請者の年齢制限:25歳以上
家族ビザ:配偶者、子供(34歳以下、未婚、マレーシアで就労していないこと)、両親、義理の両親
マレーシア滞在日数:年間90日(25歳〜49歳の主申請者とご家族)、50歳以上は適用免除。
1年後、定期預金を不動産購入、教育費、医療、国内旅行の目的で最大50%まで引き出し可能。
プラチナ | ゴールド | シルバー | |
---|---|---|---|
定期預金 | 100万USドル(約1億5千万円) | 50万USドル(約7500万円) | 15万USドル(約2300万円) |
不動産購入 | 200万リンギ(約7,000万円) | 100万リンギ(約3,500万円) | 60万リンギ(約2,100万円) |
プログラム参加費 | 20万リンギット(約700万円) | 3000リンギット(約11万円) | 1000リンギット(約3.5万円) |
就労 | 可 | 不可 | 不可 |
ビザの有効期限 | 20年 | 15年 | 5年 |
(※1ドル=150円、1リンギット=35円で計算の場合)
今まで収入証明や資産証明を求められておりましたが、全て撤廃されました。
不動産購入の条件について
2024年6月の改定により、
MM2Hビザ申請者はマレーシア国内で不動産購入が条件となりました。
不動産購入後は、10年間売却が不可となっております。
より高額の物件に買い替えすることは可能。
MM2Hビザ取得前に購入している物件についても認められるとのことですが、
詳細は個別にご確認ください。
なお、ビザ取得前に購入している不動産の場合、
1年後の不動産購入目的での定期預金の引き出しには適用されないとのことです。
具体的にいつまでに購入をすれば良いのか、
また、マレーシアでは外国人が購入できる物件は
原則100万リンギ以上の物件とされております。
地域や物件の種類によっても外国人が購入できる最低条件が異なります。
仮に、シルバーカテゴリーでMM2Hビザの取得を検討する場合、
60万リンギの物件はエリアが限定されるかなど不透明な部分もありますので、
具体的に検討する際は、条件を再確認いただくことをお勧めします。
申請方法
MM2Hビザは、
MM2Hの公式エージェントからのみ申請が可能となっております。
ビザの条件改定と同時に、
全てのエージェントにおいてライセンス更新が必要となりました。
MM2Hビザ公式エージェントリストはこちら。
https://www.motac.gov.my/en/check/mm2h
※ライセンス更新中のエージェントも含む
最新の情報や詳細については、
マレーシア政府の公式ウェブサイトや認定エージェントに確認くださいね。
弊社からもMM2H公式ビザエージェントのご紹介も可能です。
お気軽にお問い合わせください。
これらの情報は、2024年6月時点の情報に基づいています。
サラワクMM2Hビザ(S-MM2H)
サラワク州は、東マレーシアと呼ばれるボルネオ島に位置する特別行政区であり、
独自のマイ・セカンド・ホーム(MM2H)プログラムを提供しています。
サラワクMM2Hビザは、
マレーシア連邦政府のMM2Hプログラムとは異なる条件で、
2025年1月より新しい条件での運用が決定しました。
サラワクMM2Hビザの特徴
地方自治的プログラム: サラワク州政府が独自に管理するため、連邦のMM2Hよりも条件が緩やか。
長期滞在可能: 通常、5年間有効で更新可能。
ご家族向け: 配偶者や21歳未満の子どもを含めることができ、家族全員がビザを取得可能。
各カテゴリーの条件
サラワクMM2Hビザの条件は、
申請者の年齢によって異なります。
年齢でのカテゴリー分けが撤廃され、条件も引き上がりました。
単身 | 夫婦 | |
---|---|---|
年齢 | 30歳以上 | |
収入または資産 | (収入)1万リンギット(約35万円) or (資産)10万リンギット(約350万円) |
(収入)1万5千リンギット(約53万円) or (資産)20万リンギット(約700万円) |
定期預金 | 単身でも夫婦でも 50万リンギット(約1,750万円) |
|
プログラム参加費 | 5,000リンギット(約17.5万円) | |
サラワク滞在日数 | 年間サラワク州に30日以上滞在すること(主申請者のみ) | |
ビザの有効期限 | 5年+5年=10年 | |
就労 | 不可(ただし限られた業種に限り、パートタイム可) |
1年後、サラワク州での住宅購入、自動車購入、医療費、子供の学費(サラワク内の教育機関)のために50%引き出しが可能です。
サラワクMM2Hビザのメリット
柔軟な条件: 月収や預金額の条件が、連邦政府のMM2Hよりも低めに設定されている。
自然環境: サラワクは熱帯雨林や国立公園など、豊かな自然に囲まれており、静かなリタイア生活を送るのに最適。
生活コスト: 生活費が他の州よりも低いため、コストパフォーマンスが高い。
不動産購入はオプション:MM2Hビザと比べると、今のところ不動産購入が必須の条件ではないが、今後必須になる可能性も十分に考えられる。
MM2HビザとS-MM2Hビザを徹底比較!
基本的な特徴の違い
MM2Hビザ | S-MM2Hビザ | |
---|---|---|
対象エリア | マレーシア全土 | サラワク(クアラルンプール側に居住可能) |
管理機関 | マレーシア連邦政府 | サラワク州政府 |
年齢 | 25歳以上 | 30歳以上 |
有効期間 | 5年〜20年(カテゴリーにより異なる) | 5年+5年 |
家族の同伴 | 配偶者、子ども(34歳以下)、両親 | 配偶者、子ども(21歳未満)など |
最低滞在日数 | マレーシアに90日/年(50歳以上免除) | サラワク州に30日/年(主申請者のみ) |
主な条件の違い
MM2Hビザで条件が近いシルバーカテゴリーとS-MM2Hビザを比較してみましょう。
MM2Hビザ(シルバー) | S-MM2Hビザ | |
---|---|---|
月収 | なし | (単身)10,000リンギット(夫婦)15,000リンギット* |
流動資産 | なし | (単身)10万リンギット(夫婦)20万リンギット* |
定期預金 | 15万USドル(約2,300万円) | (単身・夫婦)50万リンギット(約1,750万円) |
不動産購入 | 60万リンギ(約2,100万円) | なし |
プログラム費用 | 1000リンギット(約3.5万円) | 5,000リンギット(約17.5万円) |
ビザ有効期限 | 5年 | 5年+5年 |
滞在義務 | 年間90日以上マレーシアに滞在 | 年間30日以上サラワク州に滞在 |
*月収または流動資産のどちらか1つを満たしていればOK。
メリットとデメリット比較
MM2Hビザ
- メリット:月収や流動資産の証明が不要に。
- デメリット:不動産購入が必須に。
S-MM2Hビザ
- メリット:月収や資産要件は必要なものの、MM2Hに比べ、要件は低めで比較的検討しやすい。
- メリット:不動産購入不要。
- メリット:主申請者の年齢条件が撤廃された。今まで主申請者が49歳以下の場合で、子供を学校に通わせる場合サラワク州のインターへの入学が条件の1つでした。それに関しての記載がないため、条件撤廃の可能性有。
- デメリット:サラワク州に年間30日間滞在する必要がある。
- デメリット:条件が割と変わりやすい。(例:以前サラワク州への滞在15日間でOKとしていたところ、突然30日間に変更等。)
まとめ
マレーシアのリタイアメントビザについて、
いかがだったでしょうか?
マレーシアのビザの要件は年々厳しくなっております。
タイミング次第では条件が大きく変わってしまいます。
MM2Hビザについても言えることですが、
今までもサラワクMM2Hビザは条件が急に変更される場合があります。
最新情報については、各機関の公式ウェブサイト等でご確認ください。
この記事を参考に、理想のマレーシアライフを実現してください!
関連記事:マレーシア長期滞在ビザ続々一挙紹介!
——-
免責事項:
本記事は、2024年11月現在にまとめた情報です。当ブログに掲載された情報は、内容を保証するものではありません。内容に基づく行動はご自身の責任で行ってください。情報の利用により生じた損害について、当方は一切の責任を負いかねますのでご了承ください。