マレーシアは一年通して暑く、日中は常に30度。
雨季と乾季があり、多少の気候の変化は多少ありますが、日本から見たら常に夏の気候です。
また、多民族の国なので、マレー料理、インド料理、中華料理、マレーシア発祥のニョニャ料理など、食文化も大変豊かです。
暑さ、食に欠かせないのが水です。マレーシアの水は安心して飲んでよいのでしょうか。
マレーシアの飲料水と水事情について紹介します。
目次
マレーシアの硬水か軟水か
マレーシアの水は一般的に硬水だと思って良いでしょう。
水の硬度、軟度はWHO(世界保健機関)の基準に基づいて決められています。
水1ℓ中のカルシウムとマグネシウムの量を表わした数値を「硬度」として指します。
カルシウムとミネラルの量、120mg境とし、それ以上が「硬水」、それ以下を「軟水」と呼びます。
日本は一般的に軟水で、硬度50mgとされていますが、実は地域によって差はあります。
栃木県足利市、東京都府中市などは硬度75mg以上100mg以下。
沖縄県全域と千葉県木更津市では硬度100mg以上と、硬水に近い数値なのです。
地域や地形によって大きく異なることが分かります。
同様にマレーシアと一口に言っても、硬度の差があります。
昔から「水が変われば体調を壊す」「水が合わない」などと言いますが、良し悪しに関わらず、慣れない土地の水は注意が必要です。
長年軟水を飲んできた人が硬水に変わった事で体調を崩す事もあるでしょうし、その逆もあり得ます。
硬水に慣れていない人は、様子を見ながら食事や飲み物を選び、少しずつ慣らすことも大切です。
普段飲んでいる水を知ろう
日本では様々なブランドが水を販売しています。
普段何気に買っている水ですが、自分がどのくらいの硬度の水を飲んでいるのかを知っておくのも良いでしょう。
販売されているほとんどの水は軟水ですが、「エビアン」や「ペリエ」が硬水なのは多くの人がご存じだと思います。
2019年度、日本で一番売れているのが「サントリー天然水(南アルプス)、
第二位がキリンビバレッジ・アルカリイオンでした。(価格.com調べ)
キリンビバレッジのアルカリイオンの水の硬度は59mgで、日本の水の硬度の平均位であることが分かります。
また、サントリー天然水には三種類ありますが、それぞれ硬度が違います。
「南アルプスの天然水」の硬度は30mg「大奥山の天然水」は20mgでかなり柔らかい水です。
一方、同じ天然水でも「「阿蘇の天然水」は80mgで、大奥山と比べると4倍も差があるのです。
これらのラベルには、軟水か硬水かが書かれていることが多いです。
普段からチェックしておくと、知らない水を選ぶ時の基準ができますよ。
軟水だから良い、硬水だから良いとは一概に言えません。好みや体にあった水が一番です。
また、地域によって異なる水の硬度なので、自分が住んでいる地域の硬度を調べておくのも良いですよ。
マレーシア屋台の水は大丈夫?
マレーシアでよく見かけるローカルフード店、クダイ・コピ(Kedai Kopi)やコピ・ティアム(Kopi Tiam)。
一見不衛生に見えるこれらの店ですが、実はマレーシアの衛生管理法は厳しいのです。
不衛生な食品を摘発されたり、食中毒があった場合、罰金刑や懲役刑も受けかねません。
店主はかなり気を使っているそうです。
必ず火を通したものしか出さないので、その点では安心して良いでしょう。
冷たい飲み物を注文しても、必ずホットで作ったものに氷を入れます。
そのため、生温い事も多いのですが、これが安心できるものだと覚えておきましょう。
また、お店には国に評価されたAランクやBランクなどのランクが賞状で飾られています。
お店に入る前にチェックしてみると良いでしょう。店で出されるスープ類や飲み物は特に問題ありません。
ただし、極端に胃腸が弱い、体調が良くない場合は注意が必要です。
マレーシアのかき氷ABC(アイス・カチャン)は火が通っていないので、
水に慣れないうちに食べすぎないように気を付けてください。
マレーシアの水道水は飲める?
水道水を飲んでも良いか否かと聞かれたら、否です。
見た目ではあまり分かりませんが、日常で洗濯をしているとよく分かります。
一見、白と茶色に見える上のタオルの写真。左はまだ使ってないタオルですが、右側も元は真っ白でした。
わずか3ヶ月でこの様な状態になってしまいます。見た目でごわつきも分かりますよね。
このように、白い洗濯物がみるみる茶色くなっていくのです。
洗濯機にウォーターフィルターをついていたこともありましたが、
2回洗濯すると真っ白なフィルターが少し濁った色になってきます。
3ヶ月で交換するように言われたフィルターでしたが、2ヶ月おきに交換。
公共トイレの洗面所では、手を洗った後になんとなく手がベタベタする場所もあります。
これは地域の水質だけでなく、建物の水道管によって異なります。
水の質が良い地域でも水道管が古い場合などがあるため、水道水はおすすめできないのです。
ほとんどのマレーシア人は、水道水を煮沸してからの飲みます。地元の人でもそのまま飲む事はまずないでしょう。
歯磨きやシャワーは、特別神経質でなければ問題ありません。
ホテルによっては洗面台にドリンキング・ウォーターが置いてあるところもあります。
ランクの高いホテルに多いのですが、歯磨き用として置いてあるので、その時ペットボトルの水を使用するようにしましょう。
また、コンタクトレンズの洗浄は不適切とされています。不純物で目に見えない傷がついてしまうためです。
保存液としての使用もおすすめできないので注意してください。
マレーシアの水についてはこちらの記事も確認頂けます↓
シャワーの水で髪がギシギシになることも
シャワーは問題ないのですが、ミネラルたっぷりの硬水に含まれる不純物の影響で髪の毛がギシギシになることがあります。
髪の毛には軟水が良い、と一般的に言われています。髪の長い人は注意してください。
長期的に考えると、シャワーヘッドなどを使うのが良いですが、ホテルではそうはいかないですよね。
旅行程度でしたら、トリートメントやヘアパックなどを忘れずに持っていくようにしましょう。
ホテルにはシャンプーのみや2in1のリンスインシャンプーしかない事もあります。
これだけだと、ブラシが通らないくらいギシギシになってしまいます。
マレーシアのペットボトル飲料水
どこに行くにも持ち歩きたいのが、ペットボトルの飲料水です。
湿度が高く、気づかない間に汗をかいているので、熱中症まではいかなくても水分不足になりがちです。
ペットボトルの水は、スーパーやコンビニ、飲食店、商店など、どこでも手軽に買う事ができます。
マレーシアも日本と同じようにたくさんの会社がペットボトルの水を売り出しています。
ただし、日本とは異なる区分けがあります。
水と一口に言っても、大きく分けて二種類の水があります。ドリンキング・ウォーターとミネラル・ウォーターです。
見分け方は簡単で、ペットボトルのキャップの色の違うだけ。
白いキャップがドリンキング・ウォーター、緑や青の色付きキャップがミネラル・ウォーターなのです。
ドリンキング・ウォーターは水道水をろ過した蒸留水です。
安全な「飲料水」なので飲んでも問題ありません。
さらに、ドリンキング・ウォーターの中にもRO水というものがあります。
ドリンキング・ウォーターが最低限の殺菌処理をしたもに対し、
RO水は超微細孔フィルターを使って水の中の不純物をろ過したピュア・ウォーターと呼ばれるものです。
ピュア・ウォーターは水に含まれているミネラルも除去されてしまいますが、口当たりはさらにまろやかになります。
各表示は、ボトルのラベルに表記されています。
ホテルに置かれているペットボトルの水は、ほとんどがドリンキング・ウォーターになります。
一方で、色付きキャップの水は、湧水や地下水を使ったのがナチュラル電話ミネラル・ウォーター。
俗に言う天然水になります。
水の銘柄は地域によっても異なりますが、マレーシア全域で手に入るのが、スプリッツァー (SPRITZER)です。
この水の硬度は硬度:134.2で、かなり高い硬水です。採取は、ペラ州です。
カルスト地域のペラは水の硬度が高い事で有名。
また、その水を生かした料理が美味しいことでも有名です。
ペラ州より北に行ったケダ州の水は、硬度が93.7mgと軟水に近い数値です。
ここの水を使った銘柄は「eau Claire Natural Mineral Water」。
このように、各地で売られているドリンキング・ウォーターでも硬度が違うことが分かります。
また、世界的ブランドの、エビアンやヴォルビックが置いてある店もあります。
観光客が行く地域に多いです。
ペットボトルウォーターの値段
500mlのペットボトルで比較した場合、ドリンキング・ウォーターが70sen〜RM1.5に対して、
ナチュラル・ミネラル・ウォーターはRM1.2〜RM2程度です。
1ℓで購入すれば、さらに割安になり、ドリンキング・ウォーターでRM1.5~RM2、
ミネラル・ウォーターでRM3~3.5程度です。
ミネラル・ウォーターでも日本よりかなり安い値段で購入できます。
世界ブランドのヴォルビックやエビアンは割高になります。
1リットルでRM8,5(約230円)前後です。
白いキャップのドリンキング・ウォーターと比べると、数倍の値段になることもあります。
マレーシアで買える超軟水の水
マレーシアのシブに工場で製造されているのが、「MOMAwater」です。
なんとその硬度は2mgと超軟水。
ミネラル、不純物を99%取り除いた水は、ハラル認証とHACCP認証を得ています。
硬水が苦手という人はこちらの水がおすすめです。
お値段も手ごろで、300mlで80sen、500mlでRM1、1.5ℓでもRM2.5。
扱っていない店ももちろんあるので、見つけたらまとめて買っておくといいでしょう。
まとめ〜水と食文化の違い
マレーシアの水と日本の水、水の硬度が違うことが分かりました。
食文化も水と共に発展してきました。
例えば、日本のお米は軟水で炊くので、ふっくらと粘り気のあるごはんが炊けます。
これを硬水で炊くと、硬水のカルシウムがお米の食物繊維固くしてしまうため、パラパラのごはんになるのです。
ナシ・ゴレンや炒飯のようにお米を炒めて食べるのは、その方が美味しいから。
飲み物も同様で、日本人が飲む緑茶は硬度が低い事で旨味を味わうことができます。
一方、中国茶や紅茶は香りを楽しむので、硬水があっていると言えます。
コーヒーにも硬水が合うのですが、その理由は水中のカルシウム成分が多いと渋みや苦みがより強くなるためなのです。
マレーシアの水事情と飲料水について紹介しました。
人間の体の60パーセント以上は水と言われているほど大切なものです。
マレーシア旅行や出張の際の水選びの際には、ぜひ参考にしてください。